2017年10月17日に配信が始まったWindows 10の大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」。ここでの搭載が予告されながらも、次回以降のアップデートに先送りとなった大型の新機能に「タイムライン(Timeline)」がある。

タイムラインの先送りを報告した米Microsoftのジョー・ベルフィオーレ氏は「Fall Creators Updateの提供からすぐ後に、同機能をWindows Insider Programの参加者向けに提供する」と説明していたが、いよいよ同機能を搭載した最新ビルドが同プログラム参加者のFast Ringユーザー向けにやって来る。

●開発プレビュー版に搭載された「タイムライン」機能とは?

タイムラインを搭載した最新ビルドの提供を予告しているのは、Insider Programの担当者でおなじみのドナ・サルカール氏だ。同氏はWindows公式ブログへの11月28日(米国時間)の投稿で、間もなく提供するWindows 10 Insider Previewの新機能を紹介した。12月1日(日本では翌日)ごろのタイミングで配信されるようだ。

注目すべき新機能の1つは、お待ちかねのタイムラインだ。タスクビューの一部に機能が組み込まれる形で、過去に作業したファイルが時系列で簡単にたどれたり、検索できたりするようになる。ファイルだけでなく、アプリやWebサイトの履歴などもたどれるため、「直近で作業していた内容を任意のタイミングで再開」といったことが容易に行える。

このタイムラインで最も重要なのは、デバイス間をまたいだ作業がスムーズになる点だ。例えば、PCで閲覧中だったWebサイトをモバイルデバイスで移動中に確認したり、あるいは自宅や職場の普段とは異なるマシンの作業を引き継いだり、といったことにも対応できる。

そのため「デバイス間同期」の仕組みが必須であり、今回は投入が説明されていないものの、間もなく追加されるとみられる注目の新機能「クラウドクリップボード」(これも予告されていながらFall Creators Updateでは間に合わなかった)と合わせて、Windows 10の次期大型アップデート「Redstone 4(RS4)」の目玉の1つとなるだろう。

●複数のタスクを「タブ」で切り替えられる新機能も

もう1つの注目は、Insider Previewに導入される新機能と、それを利用してテストされる「Windowsの新しいユーザーインタフェース(UI)」だ。

現在はInsider Programで同じ「Ring」を選択したユーザーであれば、受け取れるInsider Previewのビルドは中身も含めて同じものになっている。

しかし、サルカール氏によれば、今後は「特定の機能」や「特定の変更」を試すため、あえて一部のユーザー限定で短期間だけ異なる機能を提供し、残りのユーザーグループとの比較で、その満足度や利用度から機能評価をしていくという。その結果は短期間のテスト終了後、全てのInsider Program参加者に反映されることになる。

この新機能で例に挙げられているのが、Edgeブラウザにおける「Hub」アイコンを異なるデザインで用意しておき、どちらのデザインがよいのかをユーザーの反応を見て決めるというものだ。一種の「意識せずに行われるユーザー投票」みたいなものだと考えればよいだろう。

そして、この「機能テスト」で最初に導入される試験機能が「Sets」というものだ。あくまで暫定名称で、実際の正式リリース時には異なるものになるようだが、内容的には「Edgeブラウザで採用している“タブ”のUIで、各種アプリやファイルの操作も行えるもの」と言えばいいだろうか。

YouTubeにアップロードされている動画を直接確認いただいた方が分かりやすいだろう。

仕組みとしては、よく利用するアプリや過去のファイルがEdgeブラウザのホーム画面のようなUIで選べるようになっており、OfficeやEdgeといった異なるアプリであっても、同一のウィンドウでタブを切り替えるようにアプリを切り替えられるようになる。

ウィンドウを閉じると、タブとして開かれている全てのアプリは閉じるが、これもやはりEdgeのように閉じたタブをアプリごとに、一気に復活させることも可能だ。Windows 10のUIをWebブラウザライクなものにすると考えればよいだろう。まずは一部のUWP(Universal Windows Platform)アプリで使えるようになる。

正直なところ、既存のユーザーの多くは混乱する可能性の高いUIという印象を受けたが、Fast Ringユーザーでこの試験機能を利用する機会があった場合、是非試してその結果をMicrosoftにフィードバックしていただきたい。

●操作履歴やファイル共有の機能強化で使い勝手が高まるWindows 10

こうした履歴やファイル共有機能は2018年3月ごろに配信される予定のRS4でより積極的に盛り込まれる見込みだ。

例えば、11月に配信されたInsider Previewの「Build 17035」には、AppleのAirDropライクな「Near Share(近くの共有)」機能が導入されており、今後も同機能に対応したプラットフォームが拡大していくとみられる。

恐らく、RS4ではこうした複数デバイス間のシームレスな体験や使い勝手の向上が、アピールポイントとして紹介されるはずだ。

 

 

 

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少なくとも現時点では、Microsoftからの正式な発表はないが、同社はすべての「Chromebook」ユーザーが「Microsoft Office」を利用できるようにしたようだ。

このことに気付いたのはChrome Unboxedだ。同ウェブサイトが米国時間11月22日に報じたところによと、さまざまなChromebookモデルのユーザーが、「Google Play」ストアからOfficeアプリをダウンロードしているという。

Microsoftは2014年に、Officeアプリ(「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」)のウェブ版を、Chromebookユーザーも利用できるようにした。その後、同社は「Office」を「Android」で使えるようにしており、これらのOfficeアプリが「Chrome OS」デバイス上でも動作するということだ。

筆者は、Chromebookで利用できるOfficeについて、さらに詳しい情報を得ようとMicrosoftに問い合わせたが、今のところ回答はない。画面サイズが10.1インチに満たないデバイスを用いるAndroidタブレットユーザーは、Officeアプリを無料で利用できる。しかし、それよりも大きい画面を持つデバイスでOfficeアプリを使いたいユーザーは、「Office 365」のサブスクリプションが必要だ。

Microsoftは、同社のOS「Windows 10 S」をChrome OSに対抗するものと位置づけており、このOSでは「Microsoft Store」のアプリのみが作動する。

 

 

 

 

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米Microsoft Corporationは21日(現地時間)、Windowsの更新プログラム「KB4055038」を公開した。11月の月例アップデートを適用した一部の環境でエプソン製のシリアルインパクトドットマトリクス(SIDM)プリンターやPOS用のターミナルモジュール(TM)プリンターで印刷できなくなっていた不具合が修正されているという。

更新プログラムはWindows 7/8.1、Windows RT 8.1およびWindows Server 2008 R2/2012/2012 R2向けが提供されており、現在、“Windows Update”や“Microsoft Update カタログ”を通じて入手可能。

なお、この問題はWindows 10にも影響するが、執筆時現在、まだ更新プログラムは提供されていないようだ。同社はエプソンと協力しながら原因の特定と解決に取り組むとしている。暫定的な回避策についてはエプソンのサポートページで案内されているので、それを参照のこと。

 

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米Microsoft Corporationは16日(現地時間)、PC版「Windows 10 Insider Preview」Build 17040を“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対して公開した。すでに「Windows 10 Insider Preview」を導入済みの場合は“Windows Update”から最新ビルドへ更新できる。なお、前ビルドで発生していたAMD製CPU搭載PCで更新が行えない問題はすでに解消されているという。

Build 17040では「設定」アプリが改善され、HDRを有効にしている場合に[システム]-[ディスプレイ]セクションでSDRのホワイトレベルを調整できるようになった。また、以前のビルドから行われている[簡単操作]セクションの整理も進められており、いくつかの項目が移動されている。

そのほかにも、入力面では“シェイプライティング(Shape Writing)”のサポート言語が拡充(日本語は未対応)。手書きパネルで新しいジェスチャーが導入された。

たとえば、前ビルドで縦線の挿入で単語が分割できるようになったが、本ビルドでは単語の間に“∧”を書き込むことでも行えるようになった。また、上部を山なりにつなげば分割された単語を統合することも可能。

さらに、手書き認識したテキストの確定・挿入(Commit)処理を“」”の書き込みで行えるようになった。逐次入力をコミットしてなるべく手書きパネルを空にしておきたい場合に役立つ。

 

 

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The Document Foundationは2日、ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」などからなる無償のオフィス統合環境「LibreOffice」の“安定版”v5.3.7を公開した。

本バージョンでは、ライブラリ「libwpd」が更新され、ヒープオーバーフローの脆弱性が解消された。さらにクラッシュする不具合など約50件が修正されている。

「LibreOffice」は、オープンソースのオフィス統合環境。Windows XP/Vista/7/8/10および64bit版のWindows Vista以降に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。なお「LibreOffice」は、最新機能を積極的に盛り込んだ“最新版”と、企業などでの利用が推奨されている“安定版”の2種類が用意されている。

 

 

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「Windows 10 Mobile」が終了へ モバイル戦略で苦闘するMicrosoft

2017年10月17日、Windows 10の大型アップデート「Fall Creators Update」が始まった。今春行われた「Creators Update」に続く大型アップデートで、Windows 10ユーザーは無償でアップデートできる。前回はWindows Mixed Realityを取り上げたが、今回はそのほかのアップデート内容を見て行こう。 

「フォト」アプリの機能が大幅アップ

まず大きく変わったのが「フォト」だ。写真の編集・管理アプリだが、スライドショーやビデオの編集機能が大幅に強化された。たとえば好きな写真を選んでスライドショーを作る機能では、自動的にBGMをつけてくれる。「自動リミックス機能」によりBGMの長さは自動的に調整される。

ビデオの編集機能では、カットして長さを調整したり、つなげたりといった機能のほか、3Dエフェクトをつけられる。「ポイントへのアタッチ」機能を使うと、3Dオブジェクトが動画の中の対象物を自動的に追従してエフェクトをかけてくれる。

Windowsでは以前、「Windowsムービーメーカー」という動画編集ソフトを無料でダウンロードして使えたが、現在はダウンロードもサポートも終了している。今回の「フォト」アプリの機能強化は、無料で簡単に使える動画編集ソフトが欲しい人にはうれしいアップデートだろう。

エッジは音声読み上げができるように

アップデートのたびに機能がじわじわと増えているWebブラウザーの「エッジ」だが、今回のアップデートでもさまざまな機能が追加されている。まずPDFへの手書き入力ができるようになったほか、音声読み上げ機能がついた。Webサイト、PDFで文字を選択して右クリックすると、その部分についてコルタナに質問できるほか、「音声で読み上げる」というメニューがある。これを選ぶとその部分を読み上げてくれる。F11キーによる全画面表示もできる。

あらゆる人が使いやすいようにするアクセシビリティの向上も行われている。アップデートで視線の動きでコントロールできるデバイスがサポートされた。視線の動きでWindowsを操作できるようになるというものだ。

日本語環境では、6種類のモリサワのUDデジタル教科書体を標準搭載する。ゴシック体などこれまでのフォントは線の強弱があって人によっては読みづらかったり、学校で習う字形と違っていたりする。UDデジタル教科書体は、弱視の人でも見やすい文字デザインで学習指導要望に準拠した字形になっているのが特徴だ。教育市場向けパソコンでの利用が期待されている。手書き機能やタッチキーボードの改良なども行われている。

OneDriveはファイルごとに同期ができるように
セキュリティーの強化も行われている。ファイルやフォルダーの不正な変更を防ぐため、「コントロールされたフォルダーアクセス」という項目がWindows Defenderセキュリティセンターに追加され、フォルダーごとに保護できるようになった。

オンラインストレージのOneDrive(ワンドライブ)はファイルオンデマンド機能が搭載され、パソコン側のストレージに保存されていないOneDrive上のみにあるファイルを、エクスプローラーから操作できるようになった。必要なファイルはパソコン側とOneDriveの両方に保存しておき、それ以外はOneDrive上にのみ保存することで、パソコンのストレージ容量の消費を抑えられる。容量の小さいSSDを搭載するモバイルノートなどで便利だろう。

Windows Phoneの終了が確定的になった。OSのWindows 10 Mobileに新機能の追加や新しいハードウェアの開発計画はない、とMicrosoftの幹部が認めたためだ。MicrosoftはAndroidやiOSよりも古くからモバイルOSに取り組んできたが、苦戦続きだった。次のモバイル戦略はどうなるのか――。

■アプリ不足のままの幕引き

Windows 10 Mobileの終了は、まず搭載スマートフォン「Elite x3」などを製造するHPから明らかになった。同社の欧州担当プレジデント、Nick Lazaridis氏が英メディアのThe Registerに対し、「Microsoftの戦略変更」を受けて、Elite x3の新製品開発計画を中止することを明らかにしたのだ。

そして4日後、Windows Mobileを率いてきたMicrosoftのOS担当バイスプレジデント、Joe Belfiore氏が打ち切りを事実上認めた。同氏のツイートは「バグフィックスやセキュリティアップデートなどプラットフォームのサポートは継続するが、新しい機能/ハードウェアの構築にはフォーカスしない」としている。前バージョンの「Windows Phone 8.1」は今年7月にサポートを終了している。

Windows 10 Mobileは、デスクトップ版と共通のカーネルを採用したモバイルOSで、2015年末にリリースされた。新たに導入したUWP(Universal Windows Platform)で、開発したアプリがPC、スマートフォン、XboxなどさまざまなWindows 10デバイスにそのまま利用できることを売り物にしていた。

また、外付けディスプレイに接続してPCのように利用できる「Continuum」も特徴。HPのElite x3はこれを生かしたもので、「3-in-1」(PC、タブレット、スマートフォン)をうたっていた。

しかし、UWPを利用したアプリは少ないままだった。アプリ不足を指摘されたBelfiore氏は「アプリ開発促進に多大な努力を払った」とも漏らしているが、Windows Phone時代から続くアプリ問題は解消されなかった。この騒ぎの前の9月末には、Bill Gates氏が、自分用にAndroidスマートフォンを使っていることが明らかになり、話題になった。

 

 

 

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Windows 10次期アップデートで削除される機能たち
マイクロソフトはWindows 10 Fall Creators Updateから削除されたり、削除が予定されているアプリや機能の一覧を公開している。今後Windows 10を使うにあたり、これらの機能は使わないようにしようという、告知のようなものだ。

削除される機能

3D Builder app
Apndatabase.xml
Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET)
Outlook Express
Reader app
Reading List
Resilient File System (ReFS)
Screen saver functionality in Themes
Syskey.exe
TCP Offload Engine
Tile Data Layer
Trusted Platform Module (TPM) Owner Password Management

※リストが表示されない場合は、ASCII.jpをPC表示にしてご覧ください。

「ペイント」アプリが非推奨となり、ゆくゆくは削除されるとのこと。すでに「ペイント 3D」が搭載されているので仕方がないが、初期のWindowsから一貫して搭載されてきたアプリなのでちょっと寂しい。「ペイント 3D」の3D以外の使い勝手が向上することを期待したい。

非推奨になる機能

IIS 6 Management Compatibility
IIS Digest Authentication
Microsoft Paint
RSA/AES Encryption for IIS
Sync your settings
System Image Backup (SIB) Solution
TLS RC4 Ciphers
Trusted Platform Module (TPM): TPM.msc and TPM Remote Management
Trusted Platform Module (TPM) Remote Management
Windows Hello for Business deployment that uses System Center Configuration Manager
Windows PowerShell 2.0

※リストが表示されない場合は、ASCII.jpをPC表示にしてご覧ください。

Windows Server 2003とXP Professional x64に搭載された「Internet Information Services(IIS)6.0」も非推奨になった。今年に入ってからも脆弱性が発見され、セキュリティホールになっているので当然ではある。

「3D Builder app」は「ペイント 3D」に置き換わるので削除された。とはいえ、どうしてもこちらを使いたいというユーザーのために、Windowsストアからダウンロードできるようにはなっている。「Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET)」も削除され、「Windows Defender Exploit Guard」という機能に代替される。EMETはサイバー攻撃を防御するための機能だが、2018年7月31日にサポートを終了することになっている。これでも、ユーザーからの要望を受け18ヵ月間延長しているのだ。

そのほか「Reader app」や「Reading List」はEdgeに統合され、「Outlook Express」のレガシーコードが削除されたりしている。

Windows 10 Fall Creators Updateで「3D Builder app」や「EMET」が削除され、「ペイント」も非推奨アプリになった。

 

 

 

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終わりの始まりではないよね?

スマートフォンといえば、iPhoneか、Androidスマートフォンか、いまや二択の世界。いえいえ、Windows Phoneのことを忘れていませんか? パソコンのWindows 10との親和性が高いことがアピールポイントな、Windows 10 MobileをOSに搭載し、タイル状のユーザーインターフェース(UI)が特徴的なスマートフォン。実は日本国内でも、格安スマホ向けに購入できたりします。


そうはいっても、ほとんどWindows Phoneなんて使っている人を見かけません。スマホ本体と大画面モニターを接続すれば、まるでスマホをパソコンのように使える「Continuum」機能だって素晴らしいはずなのに、広く受け入れられているとは言い難く…。おまけに、当のMicrosoft(マイクロソフト)から新モデルが久しく出ていないため、もしかして消えていく定めなのでは? そんな懸念も高まっていたりするみたいですね。

このほどWindows Latestが伝えたところによれば、今年4月にリリースされた最新版のWindows 10 Mobileのライフサイクルを、Microsoftが公表しました。2019年まではサポートが明言されています! 基本はバグ修正ばかりのアップデート配信にとどまってはいますが、まだまだ新機能を追加する大型アップデートだって十分にあり得ますよ。あと少なくとも2年間はね。

なお、このプロダクトサイクルの情報を、どんなふうに判断するかが、物議を醸してもいるようです。つまりは、2019年には、もうWindows 10 Mobileがサポート終了期限を迎え、MicrosoftがスマホOSからは撤退するのでは? そんな見方もある一方で、まだまだ引き続き、Microsoftが、本腰を入れてスマホOSの開発を継続する強い意志表明だと、期待してとらえる向きもあります。

いずれにせよ、きっと多くのユーザーが期待しているのは、スマホなのに真にパソコンと呼べそうな「Surface Phone」なるパワフル新製品の登場ではないでしょうか? 手のひらにWindowsというコンセプトが、本当の意味で実現してくれたら、iPhoneやAndroidスマホからの乗り換えだって進み、Windows Phoneが花開く時代だってやってくるやもしれません。今後2年以内に夢がかなったらいいですよね~。

 

 

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●あなたはTS派ですか? それともRDS派?

WindowsデスクトップOS(Homeエディションを除く)には、リモートデスクトップ接続のサーバ機能、つまり「リモートデスクトップサービス(Remote Desktop Services:RDS)」が搭載されています。これにより、リモートからWindowsのフルデスクトップ環境にログオン(最近では「サインイン」と呼ぶようになりました)して利用することができます。Windows ServerのRDSはマルチユーザーの複数同時セッションをサポートしますが、デスクトップOSは同時接続が1セッションに制限されています。

このRDSのことを、「ターミナルサーバ」や「ターミナルサービス(Terminal Server、Terminal Services、TS)」と呼ぶ人がいます。もともとWindowsにはリモートからデスクトップに接続する機能は存在しませんでした。それが、Windows NT Server 4.0で、新しいエディションとして「Windows NT Server 4.0, Terminal Server Edition(TSE)」が提供されたのが、そもそもの始まりです。MicrosoftのWebサイトは何度かリニューアルされていますが、本稿執筆時点でも、奇跡的にTSEのページは現存しています。

その後、Windows 2000で、サーバ側に「サーバーの役割」として「ターミナルサービス」が実装されました。また、TSの機能はWindows XPにも標準で組み込まれ、Windows XP ProfessionalではTSのサーバ機能がサポートされました。ここから「リモートデスクトップ接続」という名前が使われるようになりました。この名前の由来は、TSで使用されてきた「リモートデスクトッププロトコル(Remote Desktop Protocol:RDP)」です。

Windows XP Homeでも、「簡易ユーザーの切り替え(Fast User Switching)」という機能にTSの技術が利用されています。そして、Windows Server 2008において、TSはRDSという名前に変更されました。ターミナルサーバと呼ばれていたマルチセッション用サーバは、現在は「リモートデスクトップセッションホスト(RDセッションホスト)」と呼ばれています。

Windowsに初めて触れたのが、RDSやRDセッションホストという名前になってからだという人には、TSという表現はピンとこないかもしれません。しかし、この機能をトラブルシューティングする場合は、TSという名前だったことを知らないと、苦労することになります。なぜなら、Windowsの内部名やコンポーネントのファイル名、イベントログ、レジストリなどにTSに由来する名前が至るところに残っているからです。

例えば、リモートのWindowsへの接続には「リモートデスクトップ接続」という名前のクライアントを使用しますが、Windowsに組み込みのこのクライアントのファイル名は「mstsc.exe」です。これは、「Terminal Serverクライアント」(TSE)や「ターミナルサービスクライアント」(Windows 2000)というクライアント名(ファイル名は「mstsc.exe」)だったときの名残です。

●なぜSCCMのことをSMSって呼ぶの?

別の例を挙げましょう。Microsoftのシステム運用管理スイート製品である「System Center」に、「System Center Configuration Manager(SCCM)」があります。この製品を「SMS」と呼ぶ人がいます。製品のコンポーネントの中にも、SMSという名前が多数見つかります。これは、もともと「Microsoft Systems Management Server」という製品名だったころ(1990年代のSMS 1.0~SMS 2003まで)からの名残です。

「System Center Operations Manager(SCOM、OpsMgr)」も同様です。この製品を「MOM」と呼ぶ人がいますし、管理エージェントの名前は今でも「MOMAgent」です。この製品の名前は、もともと「Microsoft Operations Manager」でした(実は、それ以前の、Microsoftによる買収前の名前もあります)。

●SoftGridからApp-Vへ、そしてWindows 10で組み込み機能に

WindowsデスクトップOSのソフトウェアアシュアランス(SA)に対して無償提供(以前は有料)される「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」には、「Microsoft Application Virtualization(App-V)」という製品があります。Microsoft Officeのクイック実行形式(Click-To-Run、C2R)は、このApp-Vの技術をベースに開発されました。

App-Vのバージョン4.xまでは、昔の名前が色濃く残っていました。昔の名前とは、Microsoftが2006年にSoftricity社を買収したときの同社の製品であった「SoftGrid」です。その後、しばらくは「Microsoft SoftGrid」という名前で提供され、バージョン4でApp-Vに改称されました。ただし、App-V 4.xになっても、ファイル名やファイル形式、環境変数(%SFT_SOFTGRIDSERVER%)、サーバ環境、レジストリなどにSoftGrid時代の名残が多くありました。

現在のApp-Vの最新バージョンは5.1であり、技術的に大きな変更が行われたため、「なぜここにSoftGridという名前が?」という疑問に遭遇することはなくなったと思います。ただし、MDOPを通じて提供されるのは、このバージョン5.1が最後になります。Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)からは、App-Vの機能が「User Experience Virtualization(UE-V)」の機能とともに、EnterpriseおよびEducationエディションに組み込まれて提供されるようになりました。

今後は名前の変更ではなく、この提供形態の変更がトラブルシューティングを困難にする理由になるかもしれません。例えば、現在、公式/非公式に利用できるApp-V関連のオンラインドキュメント、書籍、ノウハウは、新旧両方の提供形態のものが混在しています。見るところを間違うと、トラブルが発生している環境と書いている内容の不一致に戸惑うことになるかもしれません。

●ID管理ツールのルーツもややこしい

Microsoftのサーバ製品では、筆者が知る限り、ID管理ツールである「Microsoft Identity Manager(MIM)」が最も多くの昔の名前を持つ製品であると思います。以下に、古い順番に並べてみました。それぞれ、3~4文字の略称で呼ばれることがあります。この製品に深く関わることがなかったので、名前の変更の影響がどの程度であったか知る由もありません。おそらく新規導入では問題にならなくても、途中をスキップしてのバージョンアップなどは、何かしら苦労があったと思います。

――
・Microsoft Metabase Services(MMS)

・Microsoft Integration Server(MIIS)

・Microsoft Identity Lifecycle Manager(ILM)

・Microsoft Forefront Identity Manager(FIM)

・Microsoft Identity Manager(MIM)
――

●全く別の機能に再利用される名前もある

個人向けアプリとMicrosoft Officeに同梱される企業向けアプリケーションの2バージョンがある「OneDrive」ですが、2016年中ごろに「SkyDrive」から名前が変わったことを知っている人は多いと思います。

実は、Microsoft Officeに同梱される企業向けアプリケーションとしては、もともと「Groove」という名前でした。以下に、これまでの名前の変遷を古いい順に示します。

――
・Groove(Office 2007)

・SharePoint Workplace(Office 2010)

・SkyDrive for Business(Office 2013)

・OneDrive for Business(Office 2016
――

現在、Grooveという名前は、Windows 8.1やWindows 10で利用可能な「Grooveミュージック」というアプリで使われています。全く別のものに名前が再利用されたわけですが、もし、あなたのコンピュータのメニューに「OneDrive for Business」(Microsoft OneDriveではない方)が存在するのなら、ショートカットのリンク先を確認してみてください。リンク先のファイル名は「groove.exe」です。あるいは、Windows 8.1やWindows 10のスタートメニューで「Groove」と検索すると、「Grooveミュージック(信頼されたWindowsストアアプリ)」の他に「OneDrive for Business」が検索されることを確認できるかもしれません。

この他、以前使用されていた名前が別の技術や機能に再利用されている例としては、「Microsoft Passport」があります。Microsoft Passportは、Windows 10に実装された、パスワード入力に変わる二要素認証(Tow Factor Authentication:2FA)技術です。

生体認証(顔、眼球の虹彩、指紋による認証)といった「Windows Hello認証」の背景にある技術ですが、もともとは現在の「Microsoftアカウント」の前身となった「Microsoft Live ID」の、さらに前身のサービスである「.NET Passport/Microsoft Passport Network」のことを指していました。そして、現在の意味でのMicrosoft Passportも、実はもう古い用例です。Windows 10初期リリース時には別の意味であったMicrosoft PassportとWindows Helloは、現在では両社を合わせて「Windows Hello」という名前に統合されています。

それ以前は「Microsoft Wallet」と呼ばれていました。Microsoft Walletは、Windows 10 Mobile向けの決済サービスの名前としても使用されています。その時点で新規IDを作成する際には問題にはならないでしょうが、IDを継続して利用しているユーザーにとっては、混乱してしまいます。@outlook.com、@live.com、@live.jp、@hotmail.com、@msn.com、@passport.comなど、さまざまなサフィックスのドメイン名が存在することも、混乱の源です。

●Windows 8.1/10は、別の名前や名前の変更がお好き?

Windows 8.1(Windows 8)やWindows 10からは、OSに実装されている技術や機能の名前が、以前よりも短いサイクルで変更されることがあります。

例えば、筆者はWindows 8.1以降を対象とする場合、「アプリケーション(Application)」と「アプリ(Apps)」を意図的に使い分けています。「アプリケーション」は従来のネイティブなWindows向けアプリケーション(「メモ帳」や「Word」、コマンドツールなど、拡張子「.exe」のバイナリ)のことで、「デスクトップアプリ」や「Win32アプリケーション」と表現することもあります。

もう一方の「アプリ」が意味するところは、Windowsストアから入手できる(あるいはWindowsにビルトインされて提供される)、Windows 8からの“新しいタイプのアプリ”のことです。こちらは、さまざまな別の呼び方があります。以下にざっと挙げてみましたが、まだあるかもしれません。これらの呼び方は、Windowsの新しいバージョンや技術が登場するたびに増えてきました。これほどたくさん別名があると、人に正しく伝えるのに苦労します。

――
・ストアアプリ(Store Apps)
・Windowsストアアプリ(Windows Store Apps)
・Windowsアプリ(Windows Apps)
・ユニバーサルWindowsプラットフォームアプリ(Universal Windows Platform Apps)
・UWPアプリ(UWP Apps)
・モダンアプリ(Modern Apps)
・モダンUIアプリ(Modern UI Apps)
・メトロアプリ(Metro Apps)
・メトロUIアプリ(Metro UI Apps)
・Immersiveアプリ(Immersive Apps)
――

「Apps」が「アプリ」と翻訳されているため、英語の「Application」と「Apps」の表現と、日本語の「アプリケーション」と「アプリ」の表現の違いが分かりにくいかもしれません。日本語では、「アプリケーション」を略したものが「アプリ」という意味にも取れます。スマートフォンで利用可能なものを「アプリ」と認識する人も多いでしょう。

Windowsにおいても、スマートフォンで(も)利用可能なものという認識は、ある意味間違ってはいません。ただし、Windows 8.1向けのアプリはWindows 8.1 RTやWindows 8.1 Phoneでも動き、Windows 10向けのアプリはWindows 10 MobileやXboxやHoloLensでも動くということで、スマートフォンでも動くのではなく、全てのプラットフォームで動くものという意味合いです(Windowsの設計上の目的としているところ)。

Windows 10になってからの名前の変更は、まだまだあります。次回は、新旧「アクションセンター(Action Center)」、「更新ブランチ(Update Branch)」と「更新チャネル(Update Channel)」、「機能アップグレード(Feature Upgrade)」と「機能更新プログラム(Feature Update)」、「Microsoft Passport」と「Windows Hello」、「エンタープライズデータ保護(Enterprise Data Protection:EDP)」と「Windows情報保護(Windows Information Protection:WIP)」と「Azure Information Protection(AIP)」などについて取り上げる予定です。

 

 

 

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